メインテーマ

「栄養や骨格筋の機能向上による健康増進の探求」

 適切な栄養摂取や適切な運動が、私たちの体(や、心)に良い影響を与えている。ということは、誰もが知っている事実です。

 

 本研究室で行なっているテーマをご説明する前に…栄養について、少しふりかえってみます。

 「三大栄養素」や「五大栄養素」といった栄養の基本については、中学校や高等学校で習った人も多いと思います。私たちの体を作ったり、エネルギー源になったり、体の調子を整えたりする栄養素ですね。このなかの例えば脂肪は、私たちの体のエネルギー源として重要な仕事をしているだけでなく、何十兆個もある細胞の膜成分になったり、ホルモンの材料として働いてくれています。さらに最近の研究から、炎症(…その前に「炎症」について説明を加えます。私たちの体内には、自分を守るための様々な仕組みが備わっています。ケガや、細菌・ウィルスに感染した時、痛みやむくみ、皮膚が赤くなったり発熱したりすることを想像してもらうと分かりやすいです。←これが、炎症が起こった状態です。このような(発熱や発赤など目に見えてわかるような)炎症だけではなく、体の中では、僅かではありますが慢性的な炎症が起こっていることが、少なくないのです。自分では感じ取れないような小さな小さな変化なのですが、これが体内の様々なところで、様々な悪さをしています(*_*))に対して、良い影響を与えているいることが、次々と明らかになってきました。

  

 本研究室では、このような貴重な研究結果をアスリートへ応用することにより、アスリートのパフォーマンス向上に貢献できるのではないか?と考えて、研究を進めています。

 またアスリートに限らず、老若男女いろんな環境下で生活する人々における栄養素の適切な摂取や適切な運動が、骨格筋機能や腸内環境など私たちの体の中の改善を介して、心や体にどのような貢献をしているのか? どんな栄養素をどれくらい摂取すると健康維持や改善に役立つのか? どんな運動との併用が望ましいのか? このようなシンプルな疑問について、学内外の多数の研究機関の先生方と共同研究を続けています。

 

 本学で学ぶ学生さんが将来、スポーツ界や、健康の維持・増進を目指した「栄養×運動」の専門家として活躍してくれることを、心から愉しみにしています。そのためには、学生の間にしっかりトレーニング(運動も!ですが、ここでは学修を指します)して、しっかり力をつけることが大事だと考えています。

 

 食で人々に貢献したい!食で人々を幸せにしたい!という思いを実現できるよう、共に学んでいきましょう。

現在進行中の研究テーマ

  • 女性アスリートの貧血に、脂肪酸が貢献するか?
  • ラグビー選手が食生活の改善:食物繊維の適切な摂取をすると、念願の大きな体になれるか?
  • 大学生が睡眠の質を上げるためには、日中どんな運動をすると良いのか?
  • 体内にたまる最終糖化産物(AGEs, たんぱく質と糖が結びついて悪さをするもの)と運動との関係
  • 骨格筋電気刺激(電気の力で筋肉を動かすシステム)は、認知機能や動脈の柔軟性にどう影響するか?

共同研究グループ

摂南大学農学部 応用生物科学科 井上亮先生

独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 予防医学研究室 坂根直樹先生、二連木晋輔先生

兵庫県立大学 看護学部 教養・専門関連教育 柴田真志先生

京都大学大学院 人間・環境学研究科 健康運動学研究室 江川達郎先生

電気通信大学大学院 情報理工学研究科 安藤創一先生

大阪工業大学 工学部 総合人間学系 西脇雅人先生

清心会藤沢病院 石井紀夫先生、石井千惠先生

横浜市立大学 精神医学教室 岸田郁子先生、服部早紀先生

京都大学名誉教授 森谷敏夫先生